東日本大震災・原発事故に関する申し入れ(第20次)

2011年5月26日

福島県知事

佐藤 雄平様

日本共産党福島県東日本大震災原発事故対策本部

本部長 久保田 仁

神山 悦子

宮川えみ子

藤川 淑子

東日本大震災原発事故に関する申し入れ(第20次)

大災害から2カ月半が経過、被災者の疲労も蓄積していることから、被災者支援を強化する必要があります。また、国会では東日本大震災復興基本法案の審議が始まり、福島県が抱える原発事故問題も含めた議論が行われています。福島県特有の原発事故への対応策も、全県民の全ての被害を損害を賠償させる立場で東電と国に求めていかなければなりません。

 よって、以下の点について対応されるよう申し入れます。

1 原発事故災害対策について

(1) 国は原発事故の問題を震災復興基本法の中の一環として位置づけ、合議制の協議機関を作るとしているが、この合議機関の議論はあくまで復興構想会議の審議の結果に基づく枠内に限定させようとしている。

 これでは結果的に現行法枠内の対応にとどまり、県民が求める全面賠償の要求を汲みとる保障があるのか極めて疑問である。

福島県が国に求めてきた、原発事故に特化した特別立法の制定を改めて強く国に求めていく必要がある。

 現在審議されている復興基本法の下での対応という枠組みに異議を申し立て、特別立法制定を求める県民運動を急いで起こすため、県が先頭に立ち役割を発揮することを求める。

(2) 原発事故の早期収束に、国が東電任せでなく全面的に責任を持って取り組むこと。そのためにも、東電に全ての情報を提出させ、国内はもとより世界の知見を集めて対策を講じるよう国に求めること。

(3) 県は、放射能による健康被害対策として、原発周辺自治体の15万人を対象に健康調査を行う方針と報道された。健康への不安は、周辺自治体住民に留まるものではない。希望する全ての県民を調査の対象とすること。

 健康への影響を判断する手段としては、体内被曝量を計測することが最も合理的と思われる。WBC(体内被曝量測定器)を自治体ごとに必要数配備して、希望する住民の被曝量を測定し記録すること。その経費は、国と東電に求めること。

(4) 原発事故に関する損害賠償請求の事務量が膨大で、関係者が苦慮している。県が職員を配置して支援体制を強化するとともに、国に対しても支援を求めること。

(5) 個人の損害賠償請求を進める上でも、市町村が窓口になることが重要となる。市町村に対して対応する窓口設置と具体的な手続き方法等について説明会を開催すること。

(6) 市町村の人手不足が深刻化している。損害賠償請求の窓口事務等増大する事務に対応するため、県から人員を配置すること。

2 避難者生活支援として以下の支援を行うこと

(1) 一次避難所から仮設住宅、借り上げ住宅などの二次避難所に移行した避難者、自宅に留まっている避難者には食事などの生活支援が届かなくなり、生活に困窮する事態が起きている。生活費を保障するための支援を行うこと。

(2) 他県に避難した避難者が借り上げ住宅を借りる場合の家賃について、福島県が基準を改定した内容が周知徹底されない問題が出ている。他県に対しても改定した内容を周知し、避難者が負担することのないよう対策を取ること。

(3) 地域コミュニティ維持のため、仮設住宅がまとまって建設されたところに集会所の建設を同時並行に進めること。

(4) 仮設住宅に電話を設置すること。そのためにNTTに協力を要請するよう国に求めること。

(5) 国は、災害救助法の食事基準、避難所設置経費の基準額の改定を行ったが、現場に徹底するとともに、旅館等に移行した場合も食事の改善、洗濯機の設置など改訂の趣旨をここにも適用すること。

(6) 避難所の暑さ対策を行うこと。

(7) 避難を余儀なくされている透析患者の通院、及び透析施設への送迎について支援をすること。

3 南相馬鹿島区大内地区などでは未だに電話が不通となっている。早期解消を求めること。

 避難者の安否確認に携帯電話が利用され、莫大な料金が生活を圧迫している。被災者に対する携帯電話料金軽減を国とNTT、関係各社に求めること。

4 災害廃棄物処理について、直ちに市町村への説明会を開催すること

以 上